2011年2月17日木曜日

花見川中流紀行 1花見川の語源

明治前期迅速図に掲載されている河川名「花見川」
 前々から「花見川」の語源が何であるか興味があります。
 平凡社の「郷土歴史大事典 千葉県の地名」で花見川の項を見ると、「江戸時代に整備された人工河川。」で始まり、主に堀割普請の概要が述べられています。語源には触れていません。
 他の地名辞典はまだ調べたことがありません。
 以前読んだ谷川健一の「独学のすすめ」という本の中に吉田東伍の「大日本地名辞書」のことが書いてあることを思い出し、書庫から引っ張り出して読んでみました。読んでいくうちに、「大日本地名辞書」で花見川や流域の地名について調べたくなりました。また、「角川日本地名大辞典」でも調べてみたくなりました。
 図書館等に出かけてこれらの本を閲覧することも考えましたが、時間のロスがかったるいので、常用している古書のWEB通販で現物を入手できないか検討してみました。結果「大日本地名辞書 坂東」は4000円で、「角川日本地名大辞典 千葉県」は3000円で入手できることになりました。現物はまだ届いていません。値段からして物としての本はB級品、C級品だと思いますが、その本に書いてあることは確実に確認できる状況をつくることができました。

 さて、これらの本からどのような情報を得られるか楽しみです。
 私は、次のように予想しています。
 花見川そのものについての情報は無い可能性が高い。「大日本地名辞書 坂東」に花見川についての説明があれば平凡社の「郷土歴史大事典 千葉県の地名」にそれが反映されると思われます。「大日本地名辞書 坂東」に花見川語源の説明がないから、角川も平凡社も花見川の語源に関わる説明がないのではないかと、現物を見る前に予想します。もしそうであっても、花見川の語源を調べる原点が明確になるので最初のステップを踏み出したことになります。調べられていない空白地帯を確認したことになるので、意欲が湧くと思います。反対に、何か花見川に関わる情報が得られれば、大いに見っけ物だと思います。

 (「大日本地名辞書 坂東」を見る前の、現在の)私の花見川語源の素人見立ては次の通りです。
 漢字の「花見」は後代の当字。音「ハナミ」の意味が分からなくなって、美化した漢字「花見」を当てたのだと思います。
 音「ハナミ」の「ハナ」は端であり、鼻と同源の先端の意味。「ミ」は見るの意味。つまり「先端を見る」という意味の地名があってその地名が川の名前に転用されていったと思います。
 「先端」とは天戸町や長作町付近まで深く湾入していた縄文海進の海に対しての意味だと思います。つまり、天戸や長作の土地に最初に入って来た人々は台地の縁を海に対する先端部として感じ、「海で区切られる台地縁をそこに見る」という意味で「ハナミ」と呼ぶ地名をつけたのだと思います。それが海退後生まれた川の名前に転用されたのだと思います。
 同じ語源の地名が残っています。「花島」です。「ハナ」は端で、「シマ」は半島の意味での島だと思います。
 「ハナミ」、「ハナシマ」の地名を残した人々は北や西方面からやってきた人々だと推察します。

 以上は私が花見川中流域を歩きながら、現場の風景を見ながら、過去に思いをめぐらしながら考えた発想です。
 花見川の語源のヒントは花見川中流域に隠されていると思っています。
 このような見立てがどんなに間違っていても良いから、本当の花見川語源を知りたいと思います。
 なお、もし花見川の語源が既に解明されていたら、ごめんなさいです。

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