2011年3月31日木曜日

花見川中流紀行 22明治前期の道教石

 迅速図「千葉県下総国千葉郡畑村」図幅の視図に「イ 天戸村」として道教石が掲載されています。
 道教石の御成街道に面する正面には「花島山正観世音」、向かって右側には「是ヲ北観音堂へ八町」、左側には「西ふなはし道」と書かれています。以前紹介した柏井の道教石(花見川上流紀行28現存する道教石)と彫られた文字の書体や全体のデザインが似ていて、同じ職人グループが作ったことを感じさせます。

            迅速図視図 イ 天戸村

            道教石の現況

 道教石の位置は迅速図の中で「イ」として掲載されています。(図中交差点の東北隅に「イ」が書かれていますが、道教石の実際の位置は西北隅にあります。)

            迅速図

            現代図

 そばに千葉市文化財説明板が設置されていて、この石塔の説明があります。この十字路が御成街道と検見川道の交差点であることや観音信仰が盛んであったことが書かれています。

            千葉市文化財説明板

 なお、迅速図にこの視図(イラスト)が掲載された理由は、あくまでも軍事的理由です。つまり、軍隊が作戦行軍する際の地図読図に際して、道を間違わないための目標となる道教石(道案内のある石塔)の場所と見た目(写実)を参考にすることが出来るようにするためです。

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