2011年7月13日水曜日

四街道十字路の道教石

東小深川流域紀行6 四街道十字路の道教石

 四街道十字路は花見川流域界線上にありますが、丁度この位置に、迅速図(「千葉県下総国印旛郡山梨村和良比村」図幅 明治15年測量)において、視図「(ロ)畦田村字四街道」が描かれています。他の迅速図図幅では類似物を、軍隊行軍時の目印の意味で「道教石」名称で視図に表現しています。

            道教石 視図「(ロ)畦田村字四街道」

            迅速図における視図位置((ロ)で表現される)

 この道教石は現存しています。四街道十字路には、囲いがあり、その中に、この道教石とその説明板、背後のエノキ大木とその標識があります。

            道教石の北面

            道教石の西面

            道教石とエノキ、説明板

            道教石の現在の位置

道教石の説明板には次の記載があります。
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市指定文化財 四街道十字路の道標石塔(四街道地名発祥の地)昭和58年4月指定
この道標石塔の各方向には、次のような道案内が書かれています。
北 成田山道 畦田村 願主 林佐野右ェ門
南 千葉町道 明治14年12月吉日
東 登宇がね
  馬渡   道
西 東京      当村世話人
  船橋   道  佐久間澤右ェ門
          佐久間源治郎
寸法  117.0×33.0×20.0cm
この道路標識が示すように、ここは四つの道が交わることから「四街道」という地名が生まれた場所です。
昭和62年2月 四街道市教育委員会
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 道教石は軍隊行軍時の目印ですから、交差点中央に立った時、見える面が視図に描かれていることになります。現在の位置ではそうならないので、創建された当時の位置は現在地より一つ左の象限(迅速図で(ロ)と描かれた位置)か、対角象限に在ったと判断できます。(※)
 また、視図に描かれている台座がなくなり、現在は粗末なコンクリート基礎の上に立っています。

※ 迅速図における交差点道教石の視図位置表示は、他の例から、「その道教石がある位置の隣接象限に記号を描く」規則性(?)があるように考えられますので、四街道十字路道教石の位置は、現在ある場所の対角象限に在った可能性が高いと思います。狭くて使えない角地には石碑を立てやすい条件があります。また、視図に東面も描かれていますが、これもかつて対角象限に在ったことを示唆します。

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