2011年9月6日火曜日

散歩ルートのネック

花見川流域のイメージと感想17 散歩ルートのネック

花見川上流端付近の風景

花見川にはサイクリング道路が整備されていてサイクリストのみならず多くの散歩者や自然観察愛好家に利用されています。
左岸について言えば、河口から大和田の京成本線鉄橋付近まで、花見川流域を縦断するかたちで約13キロメートルのサイクリング道路・散歩道が整備されています。素晴らしいことだと思います。しかし残念ながら、左岸では京成本線鉄橋で散歩道はどん詰まりになってしまいます。

①上流方向の新川にスムーズに抜けることができません。
人家の裏を通って回り込むような道を迂回しないと新川方向に行けません。
弁天橋から右岸の道を通れば川沿いに進めますが、歩道のない一般道であり散歩者には危険な道です。

②勝田川にスムーズに抜けることができません。
勝田川が花見川に合流する部分が最近改修され、半年前には白鳥が飛来するほどよい環境となりました。しかし花見川と勝田川を結ぶ道が国道16号で遮断されています。花見川から勝田川に行くためには、幅20mの国道を渡れないので、信号のある歩道を利用するために600m以上迂回しなくてはなりません。

③高津川にスムーズに抜けることができません。
花見川の右岸から高津川沿いに進むことが、公共施設があってできません。近くの人家の建て込んだ場所の入り組んだ道を迂回する必要があります。

このように花見川・新川・高津川・勝田川が結節する花見川の要ともいえる部分の散歩道が全て隘路になっています。

花見川散歩道の隘路

散歩の現場では、あれこれの偶然でたまたま各方向の散歩道が隘路になってしまったとは、到底実感できません。

①花見川と新川の双方の流域を連携させて地域づくりをするという発想が、印旛沼開発になく、ただ単に新川の水が溢れたときにそれを放水したいという機能(欲望)の対象としてだけでしか花見川を考えていない。だから花見川と新川を結ぶ通路をつくる発想はない。ということだと感じます。
現場では、新川の明るい開放的環境と花見川堀割の歴史性や自然環境が分断されてバラバラに存在しているように感じます。

②勝田川と花見川が水と緑のネットワークで結ばれることの自然生態面、利用面における大切さがあまり意識されないで、治水上の改修工事が行われていると、散歩現場では感じます。だから、散歩道がつながっていないということだと思います。勝田川の改修では、自然生態面や利用面が考慮されているとしても、勝田川内部だけでの話で、花見川流域の地域づくりという視点が脆弱なのだと思います。

③高津川という通称は地域で使われてはいますが、有刺鉄線で囲われた「都市下水路」であり、川沿いに通路(管理用道路・散歩道)をつくるという発想がもともと無いようです。花見川から高津川に行けなくても、「都市下水路」の姿を見てしまうと、それで納得していまう心境になってしまうことは残念です。

散歩道が3方ふさがりになっている花見川上流端は、旧花見川流域と高津川流域、勝田川流域の3つが合わさってできた現在の花見川流域が、地域づくりという視点でみると多くの課題を背負っていることを暗示しています。また、印旛沼流域との関係でも課題があることを物語っているように感じさせます。

散歩道の隘路解消の必要性を河川管理者、施設管理者、千葉市、八千代市等に理解していただき、隘路解消が実現していくような方策について考えて行きたいと思います。

(シリーズ「花見川流域のイメージと感想」おわり)

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