2012年2月19日日曜日

宇那谷1谷津の縦断形

宇那谷1谷津の縦断形を検討しました。

1 宇那谷1谷津の谷筋確認
次の図は旧版1万分の1地形図の谷筋線図で宇那谷1谷津を示しています。

宇那谷1谷津の位置(旧版1万分の1地形図谷筋線図)
旧版1万分の1地形図は大正6年測量

等高線の分布から宇那谷1谷津も小崖1で截頭されていることがわかりますが、特徴的なことは小崖1より北約200m離れたところに谷中分水界があることです。
小崖1より北側で谷津縦断形状が南に傾くという現象は横戸1谷津~横戸6谷津では見られませんでした。
また小崖1のすぐ南では23.7m等高線の凹地があります。
そのさらに南で宇那谷1谷津は東京湾側水系の谷によって切られています。

その浸食谷壁に流水が流れ下に池があります。民話の伝わっている子和清水です。(2011.7.28記事「子和清水」参照)

2 宇那谷1谷津谷筋の現代地図投影
次の図は現代地図(DMデータ)に上記谷筋線を投影したものです。

宇那谷1谷津の位置(DMデータ)
DMデータは千葉市提供

この図から、宇那谷1谷津の位置は、上流は千葉北インター敷地内で、千葉北警察署のある交差点の北で国道16号を横断していることがわかります。

なお、子和清水は千葉北インター敷地内に位置し現在は存在しません。

3 宇那谷1谷津谷筋の3D表現
次の図は宇那谷1谷津谷筋を0.5m間隔標高区分図に投影し3D表現したものです。

宇那谷1谷津谷筋の0.5m間隔標高区分図3D表現
地図太郎PLUS+カシミール3D+5mメッシュ
DMデータも投影表示している

東関東自動車道と千葉北インター、国道16号とその沿線開発などにより自然地形の面影の大半は失われています。

4 宇那谷1谷津の縦断面図作成
上記3のデータから、谷筋の現代地形における縦断面図を作成しました。 縦断面図には1で得た旧版1万分の1地形図の等高線交点情報による大正6年地形の縦断線も記入しました。

宇那谷1谷津の縦断面図
現代地形はカシミール3D+5mメッシュによる

宇那谷1谷津縦断面図は、横戸1谷津から横戸6谷津と同様に、地殻変動に伴う小崖1の成立に際してその南の地形面が相対沈下しただけでなく、南に傾斜したことを確認できます。(本来北に向かって下がるべき縦断形がほぼ水平になっているため、土地全体が南に傾斜したと判断できる。)
さらに、小崖1より約200m北の範囲も南に傾斜しています。
小崖1より北側が南に傾斜することは横戸1谷津~横戸6谷津ではなかったことです。

宇那谷1谷津のこのような縦断形が南側に対する集水効果を持つことになり、子和清水の存在理由の一つになったと考えます。

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