2012年5月18日金曜日

カシミール3Dによる地形立体画像 密集格子線活用

カシミール3Dによる地形立体画像の立体感増幅アイディア その3

1 密集格子線活用のきっかけ
現在、このブログでは、カシミール3Dによる地形立体画像に2秒間隔経緯線を表示して立体感を増幅した地形3D画像を使っています。

立体感の増幅といっても、風景心理上の効果としての意味ではなく、詳細な地形面対比に役立つ微細な部分の立体感の増幅という分析効果的な意味です。

2012.5.17記事「柏井と花島の中間付近の地形」で示した「柏井橋付近の地形3D表示 その6」を仔細にみていて、次のことに気がつきました。
「地形の奥まった部分(谷状に凹んだ部分)では格子線がきわめて有効に働いて立体感を得ることができる。」ということです。

逆に言えば、「格子線がなければ、立体感を直感的にえることが困難である。」ということです。

さらに言えば、「格子線をもっと密にすれば、より詳細に立体感をえることができるのではないか。」と思考が飛躍しました。

2秒間隔経緯線格子に縛られないで、もっと密な格子線を使うとどうなるか、試してみたくなりました。
早速、格子線を密にして立体感がどのように得られるか、実験してみました。

2 密集格子線活用心理実験
2-1 密集格子線の作成
画像ソフトイラストレーターの「長方形グリッドツール」という機能を使うと、自由にかつ迅速にグリッドを描けることが判りましたので、実験も楽です。
今回のグリッドは、使った平面図(段彩図)の10ピクセルに付1本の罫線としました。(約15m間隔正方形グリッド)

密集格子線付平面図

2-2 心理実験用画像
格子線の有無、密度高低による心理実験を行うための画像を次に用意しました。

格子線無3D地形画像

2秒間隔格子線付3D地形画像

黒色密集格子線付3D地形画像

灰色密集格子線付3D地形画像

2-3 心理実験結果
心理実験と言っても、被験者は私(クーラー)1人です。

次のように実験結果を得ました。
ア 格子線無より2秒間隔格子線付3D地形画像の方がはるかに地形立体感を得られる。
イ 2秒間隔格子線付より、黒色密集格子線付3D地形画像の方が、細部の地形立体感を得られる。
ウ ただし、格子線のイメージが強くなりすぎて、細部地形が目につき、地形の全体像の把握に時間がかかるようようになる。
エ 灰色密集格子線付では、格子線のイメージも弱まり、地形の全体像の把握も容易であり、かつ細部地形の立体感も得られる。

2-4 考察
・以上の実験結果から、(人目を気にしない、自分自身の内業としての)地形分析作業においては、黒色密集格子線付3D地形画像を用いることが効果的であると感じました。

・しかし、作業でわかったことのプレゼンテーションという観点から言えば、2秒間隔経緯線格子付3D地形画像が優れているというのが私の結論です。

・地形分析作業のより詳細な内幕を示す必要があるようなシビアな局面では、灰色密集格子線付3D地形画像をプレゼンテーションに活用することが考えられます。しかし、あまり出番はないと思いました。

・2秒間隔格子線付画像や密集格子線付画像をみてから、格子線無画像をみると、格子線無画像だけを見た時よりも立体性が強く感じられました。
一種の学習効果が働いたのだと思います。
つまり、格子線付画像の立体性を強調する効果が、頭脳の中に残像のように残り、記憶されます。そして、格子線無画像を見た時に、その残像・記憶が意識とは関係なく活用され、画像の浮き彫り性がより強調されるのだと思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿