2013年5月23日木曜日

千葉土木事務所に質問して回答を得る1(河川名称の疑問)


横戸や天戸などの戸地名に関わる検討、小崖に関わる地形検討を中断して、千葉土木事務所に対する質問と回答を報告します。

1 経緯
昨年12月頃花見川を管理する千葉県千葉土木事務所によって花見川のボーリング調査が始まり、花見川の河川改修事業が差し迫っていることを実感しました。
花見川の河川行政についてはこれまで考えるところがいくつかあり(注1参照)、頭の中で検討していたのですが、疑問は深まるばかりでした。

1
2011.09.23記事「花見川の河川整備計画
2011.09.25記事「花見川出自記載の違和感

そうした中で、戦争遺跡の調査で千葉土木事務所に草刈許可や報告などでコンタクトし、同時に河川改修事業が迫ってきたということでもありますので、思い切って考えている疑問を千葉土木事務所に質問し、回答(情報)をいただけるようお願いしました。
このたびその回答(情報)をいただきましたので、報告します。
千葉土木事務所の担当の方には業務多忙のなか、回答していただきお礼申し上げます。

質問は次の3点について行いました。
1 河川名称の疑問
2 河川整備計画の記述の疑問
3 河川改修事業について

この記事では1 河川名称の疑問について報告します。

2 質問
次の質問を千葉土木事務所にしました。
………………………………………………
花見川の法的河川名称に関する疑問

花見川は法的に「印旛放水路(下流部)」となっています。
この法的名称は、次のような理由により現代社会とマッチしていないという疑問があります。

法的名称「印旛放水路(下流部)」が現代社会とマッチしていない理由
理由
説明
事業者独占名称である
花見川は印旛沼の放水路機能を持っているからといって、自然流域から成り立つ河川を「印旛放水路(下流部)」と名付けることは、この川を治水・利水事業者が独占していることになる。
河川法の趣旨に反する名称である
平成9年の河川法改正により、河川の目的に環境が加えられ、治水・利水・環境の3つの河川管理により河川の目的を達成することになった。
自然流域から成り立つ花見川を「印旛放水路(下流部)」と呼ぶことは、この河川法の趣旨と齟齬をきたしている。
古代からの名称「花見川」が存在し使われている
ハナミガワのハナは花島、猪鼻、花輪などのハナと同類で、下総台地の崖に付けられた縄文語由来の一般自然地名ハナである。
古代から受け継がれてきている花見川という名称は人々に親しまれ、行政区の名称にもなっている。
このように由緒ある固有名詞としての花見川を敢えて使わないで「印旛放水路(下流部)」と呼ぶことに、強い違和感が生じている。
「印旛放水路(下流部)」は住民に使われていない
殆どの住民が「印旛放水路(下流部)」という名称自体を知らない。聞いたことがあっても、それが花見川だとは理解していない。「印旛放水路(下流部)」は、事実上、行政機関の隠語にしかすぎない。
一方、花見川という名称を理解していない住民はいない。
人工施設をイメージさせてしまう
「印旛放水路(下流部)」という名称は、人々に人工施設という誤ったイメージを与える。花見川が自然流域からなる河川という実態を人々の目から覆い隠す役割をしている。
「印旛放水路(下流部)」では川づくり・地域づくりの発想がうまれない
放水路という名称は放水機能単体を表現しており、治水利水を思考するには好都合である。しかし、放水路という言葉からその川の流域について発想することは困難である。流域の発想が出来なければ、その自然や歴史についての発想はさらに困難である。
一方花見川という名称ならば、その自然、歴史、流域に関わる発想がだれでも浮かぶ。
「印旛放水路(下流部)」という名称は、花見川において人々の川づくり・地域づくりに関する興味を生じさせない役割を果たしている。

質問その1 法的河川名称に関する上記疑問についての河川管理者のお考えをお聞かせください。
質問その2 花見川の法的名称について再検討する機会を設けることは考えられないか?
………………………………………………

3 回答
この質問にたいして次の趣旨の回答(情報)をいただきました。

「質問その1 法的河川名称に関する上記疑問についての河川管理者のお考えをお聞かせください。」について

回答(情報)(口頭でいただいた話を当方でまとめたものです)
①県が住民とコミュニケーションする際には花見川という言葉を使うこともある。県が関係する団体の出版物には「印旛放水路(下流部)」とともに「花見川」という言葉を追記している場合もある。
②法的河川名称について住民からの意見はこれまでない。

「質問その2 花見川の法的名称について再検討する機会を設けることは考えられないか?」

回答(情報)(口頭でいただいた話を当方でまとめたものです)
①再検討する機会は考えていない。

4 感想
私は次のような感想を持ちました。

① 「印旛放水路(下流部)」という河川名称がこれからの川づくりや地域づくりにふさわしくないという意見に県が接したのは、どうも今回が初めてのようです。
住民から意見がないから、名称再検討などの機会を設けることもあり得ないということです。
河川管理者としては、これまで誰も口から発することのなかった疑問に少々驚いた(面食らった)ようです。
私も、そのような河川管理者の様子を感じて、そういう無風環境が存在していることに驚き、面食らいました。

河川管理者というよりも、住民とか自治体(千葉市には「花見川区」まである)が花見川についてどれだけ愛着をもっているのだろうか、どれだけ「自分事」として花見川について考えているのだろうかということが心配になりました。

千葉市が花見川の名称についてどのように考えているのか、いつか聞いてみたいと思います。
また、何かの機会があれば、花見川の河川名称問題について地域で情報発信していきたいと思います。

② 土木事務所の回答は私の疑問に対する回答(情報)ではないので、次のような再質問をさせていただき、後日回答をいただけることになりました。

再質問
「仮に「印旛放水路(下流部)」という名称を止めて、「花見川」とか「○○川」に名称変更すると、河川行政上何かの不都合が発生するか?」

弁天橋袂の刻まれた「花見川」名称

つづく

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