2013年8月30日金曜日

「木戸」地名の強力な古代拠点示唆性(犢橋町の例)

花見川地峡の自然史と交通の記憶 68

犢橋町の小字「木戸下」の位置

犢橋町の小字「木戸下」付近の情報図
小字と遺跡の分布を検討した図です。

犢橋町の小字「木戸下」(谷津)は小字「子和清水」(台地)に隣接しています。小字「子和清水」には子和清水遺跡があります。

子和清水遺跡からは住居址や各種遺物が発見されていて、旧石器、縄文(前・中・後・晩)、弥生()、古墳()、平安の時代にわたっています。

子和清水遺跡の古墳時代出土物 供献用小型甕
2011.09.19記事「子和清水遺跡の出土物閲覧6」参照

子和清水遺跡は出土物から、古墳時代には子和清水の泉を祀る祭祀の場であった建物が存在していたと考えていました。

この度、小字子和清水のすぐ下の谷津谷底の小字名が「木戸下」と知り、子和清水遺跡は、古墳時代には祭祀の建物があるという認識だけではなく、その祭祀が行われる建物は支配のための重要な施設であり、柵に囲まれていたという、より濃いイメージを持つことができました。

犢橋川の谷底平野の水源である子和清水の泉がある場所に、祭祀と地域支配のための建物があったということです。

以上のように、地名「木戸」は古代建造物の存在を指し示すという指標性を備えた地名です。


つづく

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