2013年10月13日日曜日

大久保付近の小崖地形

花見川流域の小崖地形 その40

1 花島小崖のA地区の検討
この記事では、花島小崖の西端A地区の検討を行います。

この記事で検討する花島小崖の場所

2 花島小崖のルートと小崖の形状
 次に花島小崖のルートと小崖の形状を示します。

花島小崖のルートと地形断面位置
基図は段彩図(現代地形)と旧版1万分の1地形図(大正6年測量)のオーバーレイ図

位置関係が判るように、基図を標準地図にしたものを次に示します。

参考 花島小崖のルートと地形断面位置
基図は標準地図(電子国土ポータルによる)

地形断面図

小崖(断層崖)の見かけの比高は1.0m3.1mとなっています。ただし、地形の人工改変が著しいので、断層崖の形状を知る上で参考程度の意味しかないと考えます。

図中イは断層と東京湾水系谷津の交点に生じた新たな侵蝕ガリーであると考えます。

3 東京湾水系谷津の横ずれ
図中のアで示したところで、東京湾水系谷津の横ずれが見られます。

東京湾水系谷津の横ずれ拡大図
基図は段彩図(現代地形)とDMデータ(習志野市、船橋市提供)

この横ずれは花島谷津の横ずれと同じ成因であると考えます。(2013.09.16記事「断層横ずれを伝える花島谷津の平面形状」参照)

つまり、もともと印旛沼水系谷津があり、その印旛沼水系谷津が断層で水平移動して変形しました。その後東京湾水系谷津の侵蝕作用がこの場にも北側から南方向に向けて発生するようになり、その時もともとあった印旛沼水系谷津の平面形状をなぞるように侵蝕が行われたという仮説です。

この谷津の横ずれの平面形状はそのまま断層運動の水平移動の存在を示すものではありませんが、間接的に断層横ずれの存在を示していると考えます


A地区付近からさらに西では東京湾水系谷津の侵蝕が激しく、花島断層の延長を観察することはできません。

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