2014年5月14日水曜日

印旛沼筋河川争奪の証拠2 -下総下位面時代谷津幅異常-

シリーズ 花見川地峡成立の自然史 -仮説的検討- 
第3部 印旛沼筋河川争奪に遡る その3

印旛沼筋河川争奪の第2の証拠は下総下位面時代谷津幅異常です。

1 下総下位面分布図
次の図は杉原(1970)を一部修正して作成した印旛沼筋付近の下総下位面分布図です。

印旛沼筋付近の下総下位面分布図

この図の下総下位面分布の包絡円を作成して谷津幅を検討してみました。

2 現在水系からみた下総下位面時代谷津幅の異常
現在の水系パターンと同じパターンにより下総下位面分布がつくられたと考えると、次の図に示すように上流部で谷津幅(下総下位面分布域)が広く、下流部で狭いという異常形を呈します。

現在水系からみた下総下位面時代谷津幅の異常

a(上流)→b(下流)の間に大きな支流が2本流入していていることを考えると、aの谷津幅よりbの谷津幅が狭いことは大いに異常です。

この下総下位面時代谷津幅の異常は、下総下位面時代谷津がつくられたことの印旛沼筋の流れの方向が現在と真逆であったことでしか説明できません。

谷津幅異常は河道逆行争奪の証拠の一つになります。

3 古平戸川を想定した場合の下総下位面時代谷津幅の正常
下総下位面時代の谷津幅は次の図に示すような河川によりつくられたものと考えることができます。
谷津幅は上流で狭く、下流で広いという正常な形でつくられました。

古平戸川を想定した場合の下総下位面時代谷津幅の正常

4 参考 地形段彩図

地形段彩図+標準地図

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