2014年10月25日土曜日

旧石器時代石器学習 その1

花見川地峡史-メモ・仮説集->3花見川地峡の利用・開発史> 3.2旧石器時代の移動路>3.2.2旧石器時代石器学習

1 旧石器時代移動路についての検討ステップ
旧石器時代の移動路について理解を深めたいと考えています。
理解を深める方法は次のようなステップを踏みたいと考えています。

ア 「千葉県の歴史」等の図書に記述されている旧石器時代の石器分析と考察に関する記述の大要を理解学習する。

イ 「千葉県の歴史」等の図書に掲載されている遺跡事例から興味を引く事例を2-3ピックアップし、調査報告書等を閲覧して、遺跡サイトと地形との関係について分析的に学習する。

ウ 対象区域を限定して、遺跡サイトと地形との関係に着目して、旧石器時代人の移動路について考察する

2 「千葉県の歴史」をテキストにした旧石器時代石器学習
「千葉県の歴史」をテキストに旧石器時代記述を、事例を除き一通り全部を結局は2回ほど読みました。
私にとって初めての見聞といっていい情報ばかりであり、興味を掻き立てるテーマが多く、時間を忘れて引き込まれる目次も多かったです。
なお学習を現象面から見ると、次の大冊重量級3巻をあちらこちら参照しながら読むので、本を扱うこと自体が筋肉感覚的となるようなアナログ読書です。

●旧石器時代に関連する「千葉県の歴史」
・「千葉県の歴史 通史編 古代1」
・「千葉県の歴史 資料編 考古1(旧石器・縄文時代)」
・「千葉県の歴史 資料編 考古4(遺跡・遺構・遺物)」

「千葉県の歴史 通史編 古代1」では、現在までに判明している旧石器時代の人の活動を通史として、わかりやすくまとめてあります。
「千葉県の歴史 資料編 考古1(旧石器・縄文時代)」では、旧石器時代概説とともに57事例が掲載されています。
「千葉県の歴史 資料編 考古4(遺跡・遺構・遺物)」では、専門的見地からの旧石器時代検討テーマについて解説されています。

学習したといっても肝心要の石器分類や石器リダクションプロセスについては「判ったような気がする」程度の理解です。

石器現物を手に取ってみてもいないので、文章と写真だけからの理解には限界があります。

その程度の理解ですが、旧石器時代に関する記述は一通り読んで、房総で取り組まれている旧石器研究活動の大要を知ることができたことはよかったと思います。

なお、通史を理解した上で読んだ「千葉県の歴史 資料編 考古4(遺跡・遺構・遺物)」の専門的見地からの旧石器時代検討テーマ解説は、読み応えのあるテーマばかりであり特別に面白いものでした。これだけで1冊の新書本ができると思いました。

3 石器石材のギャザリング・ゾーン
「房総半島後期旧石器時代の石器生産につかわれた石材は多岐にわたり、またその産地も広い範囲に散在しているため、石材採集のためには多大なエネルギーの支出が必要であった。このため、一般に、石材の採集は狩猟・採集行動に巧みに組み込まれており、移動の過程で各所で少しずつ採集されたと考えられる。この採集の過程や場所を総称してギャザリングという。そして、特定のギャザリングの場所的な広がりをギャザリング・ゾーンという。北総台地をフォーカスするゾーンは以下のように区分される。」(「千葉県の歴史 資料編 考古4(遺跡・遺構・遺物)」より引用)

ギャザリング・ゾーン
(「千葉県の歴史 資料編 考古4(遺跡・遺構・遺物)」(千葉県発行)から引用)

東部関東後期旧石器時代石器群と関係ある岩体の分布
「千葉県の歴史 通史編 古代1」(千葉県発行)から引用

後期旧石器時代後半期の狩場と石材補給エリア
2014.08.18記事「旧石器時代遺跡密度についての追考」掲載図

旧石器時代人の移動経路自体は下総台地あるいは房総という枠をはるかに出ていて、北は東北磐越高地から南は房総南部嶺岡山地にまで南北300㎞以上に及ぶものでした。現代人には想像もつかない生活行動範囲です。
旧石器時代人にとって優良な石器石材の入手と回遊先狩場各地における石材の効果的・節約的利用消費が大切な生活戦略であったことが判りました。

つづく

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