2014年10月30日木曜日

旧石器時代遺跡と地形 事例検討その1

花見川地峡史-メモ・仮説集->3花見川地峡の利用・開発史> 3.2旧石器時代の移動路>3.2.7旧石器時代遺跡と地形 事例検討その1

「千葉県の歴史」等の図書内容の理解学習である「旧石器時代石器学習」を2014.10.29記事「旧石器時代石器学習その5」でひとまず切り上げ、次の学習ステップである、遺跡事例の調査報告書等を閲覧して、遺跡サイトと地形との関係についての分析的学習に入りたいと思います。

「千葉県の歴史 資料編 考古1(旧石器・縄文時代)」(千葉県発行)には旧石器時代57遺跡が事例として紹介されています。
どの事例も興味を引く内容ばかりですが、この中の次の2事例について、記述内容および掲載地図から、私は遺跡と地形との関係について興味ある事実が発見できるかもしれないと感じました。

1 草刈遺跡
場所:市原市草刈字天神台ほか
概要:「ちはら台ニュータウン」の建設工事に伴い1978年から20年にわたり発掘調査が行われた。武蔵野ローム層最上部から県内最古の石器が出土した。
武蔵野ローム層上部から立川ローム層最上部にかけて10枚におよぶ文化層から遺物集中地点130箇所以上、石器総数18000点もの旧石器時代資料が出土している。

2 萱田遺跡群
場所:八千代市萱田・大和田新田
概要:萱田地区土地区画整理事業(100h)に伴い、1987年年度から1991年度まで発掘調査が行われた。
多数の遺物集中地点と豊富な内容をもつ石器群が検出され、文化層は立川ローム層のほぼ全体に及ぶことが判明した。

私が興味を持った点(調べたい点)についてこの記事で説明します。

なお、現時点では発掘調査報告書等は一切見ていません。
これから発掘調査報告書等を図書館で閲覧して、興味を持った点について調べ、順次記事にします。自分の興味が満足されるようなことがこれからの資料調査でえられるかどうか全く不明です。

1 草刈遺跡に関する興味

草刈遺跡に関する興味
「千葉県の歴史 資料編 考古1(旧石器・縄文時代)」(千葉県発行)から引用 図中に書き込み

旧石器時代人は日当たりのよい台地南縁を好んでキャンプしたことは確実だと思います。
一方、北向崖下に遺物集中地点があることが気になります。崖を利用した狩場跡(動物を解体した跡)かもしれません。通常のキャンプではなく、恐らく特別の理由があるはずです。
その理由が出土物や出土状況から推察できるか、資料調査をします。

2 萱田遺跡群に関する興味

萱田遺跡群に関する興味
「千葉県の歴史 資料編 考古1(旧石器・縄文時代)」(千葉県発行)から引用 書き込み

「千葉県の歴史」では次のように説明しています。
「本遺跡では、標高13mを境として、より低い標高に第2文化層が、より高い標高に第3文化層が形成されており、この2つの文化層中に遺物分布がほぼ限られる状況が認められる。この現象は、段丘の形成時期の検討とかかわって興味深い事例といえる。」

この説明は、寒冷侵蝕期に河川下刻作用で河岸段丘が形成され、湧水の位置が下がったので、旧石器時代人のキャンプ地が下がったという解釈のようです。

しかし、あまり信じられません。谷の底の方に降りて行くのは狩活動によるものであると考えます。
出土物や出土状況からわかることがあるか、資料調査してみます。

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