2014年11月12日水曜日

QGIS画像取り扱いテクニック学習

QGISを使ってヒートマップを作成して考古歴史情報を分析しています。
ヒートマップを最初に記事に使ったのは2014.09.08記事「擬似「縄文遺跡分布図」のヒートマップ作成」が初めてだと思います。
かれこれ2ヶ月経っています。
QGISでヒートマップファイル(geotiffファイル)をつくり、地図太郎PLUSに読み込んでブログ用図面を作成しているのですが、情報の無い部分(データが無い部分)が真っ黒になってしまい、それだけを示すプレゼンでは際立つのでいいのですが、自分自身の地理的検討をしていく上で地の地図が見えなくなるので不都合感を感じるようになりました。

QGISと地図太郎ブラスの間をいったりきたりしながら、画像の扱いについて試行錯誤をしているうちに、ヒートマップの真っ黒な部分をつくらない方法にたどりつきましたのでメモしておきます。
ここでメモするような些細なテクニックの積み重ねがGISソフト活用習熟の99%を占めるのですから、QGISを自由に使えるようになるまでには後数年はかかりそうです。

1 地図太郎PLUSでヒートマップ無データ部分が真っ黒になる場合の作業手順
ヒートマップを使った画像が真っ黒になってしまうプロセスは次の通りでした。

ア QGISでヒートマップ作成
QGISでヒートマップを作成する。

QGISでヒートマップを作成した画面

イ ヒートマップ(ラスタデータ)をgeotiffファイルで保存する。
geotiffファイルは画像情報と位置情報を一緒にふくんだ拡張子tifのファイルです。
geotiffファイルをPhotoshopで見ると、データ無しの部分が透明であることがわかります。(格子模様の部分が透明部分)

Photoshopでヒートマップ(geotiffファイル…拡張子tif)を表示した時の画像

ウ 地図太郎PLUSにヒートマップ(geotiffファイル)を読み込む。(背景地図→背景地図を開く→位置情報のある地図・航空写真画像(経緯度座標系))
地図太郎PLUSでは、ヒートマップの透明部分が真っ黒になってしまいます。
ヒートマップに「乗算」属性を与えて、ヒートマップと地の地図が同時に投影されるようにするのですが、真っ黒の部分はそのままです。

地図太郎PLUS上でヒートマップに「乗算」属性を与えて、地の地図と同時に投影した画像

QGISで作成したヒートマップファイル(geotiffファイル)をフォショップに取り込み透明部分を選択して白色に塗りつぶしてtifファイルで保存すると、位置情報が無くなってしまい、地図太郎PLUSで位置情報のある地図として取り込みができなくなります。

2 地図太郎PLUSでヒートマップ無データ部分が真っ黒にならない場合の作業手順
次は試行錯誤の末見つけた、地図太郎PLUSでヒートマップ無データ部分が真っ黒にならない場合の作業プロセスです。

ア QGISでヒートマップを作成する

イ QGISで、画面を「プロジェクト」→「イメージで保存」で画像ファイル(tifファイル、jpgファイルなど)に保存する。
保存されるファイル(アウトプットファイル)は、tifファイルを選択するならばtifファイル(画像情報)とtifwファイル(ワールドファイル…位置情報を記録したテキスト)、jpgファイルを選択するならばjpgファイル(画像情報)とjpgwファイル(ワールドファイル)の2つになります。

Photoshopで画面画像(tifファイル)をみると、データ無し部分が白色となっています。

エディターでワールドファイルをみると、位置情報が書かれていることがわかります。

エディターに見たワールドファイル

ウ 地図太郎PLUSに画面画像ファイル(tifファイル)を読み込む。(背景地図→背景地図を開く→位置情報のある地図・航空写真画像(経緯度座標系))
画面画像(ヒートマップの画像)が位置正確にとりこまれ、それに「乗算」属性を与えると、地の地図と同時に投影され、真っ黒な部分が表れません。

地図太郎PLUS上で画面画像(ヒートマップの画像)に「乗算」属性を与えて、地の地図と同時に投影した画像

ヒートマップファイル(geotiffファイル)の透明部分を白色に塗りつぶすことも可能だと思います。QGISによる作業を重ねればそのうちその方法も見つけだすと思います。(※)

ヒートマップを扱う上での不都合(データ無し部分が地図太郎PLUSで真っ黒になる)を回避する方法を見つけようとするなかで、geotiffファイル、ワールドファイル(位置情報を記録したファイル)の特性について学習しました。

また画像を扱って行く上で「乗算」という機能についても学習しました。「乗算」機能はQGISにも、地図太郎PLUSにも、Photoshopにも、Illustratorにもあり、同じ機能を意味する一般的テクニカルタームであることを知りました。「乗算」は画像のオーバーレイをする上で便利な機能です。

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※ 2014.11.14追記
次のような回りくどい方法ですがgeotiffファイルの真っ黒を回避する方法を見つけました。

1 QGISでヒートマップ(geotiffファイル)をつくる。
2 QGISの「ラスタ」→「変換」→「変換(形式変換)」で入力レイヤとして1で作成したgeotiffファイルを選択、出力ファイルとして適当な名前を入れ、ファイル種類として(*png)を指定してOKをクリックする。pngファイルが生成される。
3 QGISで、「ラスタ」→「投影法」→「投影法の抽出」をクリックし、出てきた画面にpngファイルを入力してOKをクリックする。ワールドファイル(拡張子はwld)が生成される。
4 ワールドファイルの拡張子をpngwに書き換える。
5 pngファイルを地図太郎PLUSで開くと(「背景地図」→「背景地図を開く」→「位置情報のある地図・航空写真画像(経緯度座標系)」)、真っ黒の部分が白になった画像がプロットされる。その画像を「乗算」にする。

2のステップで、pngファイルを作成したのですが、ここをjpgファイルにすると真っ黒の部分が生じてしまいました。

2のステップで位置情報を示すXMLファイルができるのですが、これの使い方が現段階では分かりませんから3のステップを踏みました。

QGISを使った作業は試行錯誤的操作テクニック学習時間80%、本来作業時間20%という感じになってしまいます。しばらく耐えるしかありません。(振り向けば、ワード、エクセルもPhotoshop、Illustratorもこのような最初期ハードルを乗越える時間が結構長かったです。)

なお、QGISはバージョン2.6を使っています。

また、上記作業ではパス名(ファイル名等)に日本語が入るとエラーになります。

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