2015年7月23日木曜日

香取に関する超空想

小字地名データベース作成活用プロジェクト 23

市川市に存在する大字香取(カンドリ)、小字香取(カンドリ)は中世(14世紀)にその場所に香取神宮の河関(太日川[江戸川]筋徴税所)が存在したことに対応していることをメモしました。2015.07.22記事「市川市香取について」参照
この地名事象は空想ではなく、史実に対応しています。

さて、そもそもの香取神宮の香取、地名香取市の香取(カトリ)の語源について興味があります。鹿嶋神宮の鹿嶋、鹿嶋市の鹿嶋(カシマ)とも関係します。

地名辞典には次のような説明があります。

「かとり 香取 <佐原市>
下総台地北端,香取神社があり亀甲山と呼ばれる丘陵地に位置し,北方を利根川が東流する。
地名の由来は,檝取(かじとり)・揖取・梶取による説,縑織(かたおり)など縑(かとりぎぬ)による説,葛を採る葛取による説,神集(かんづまり)にちなむ説,経津主命が邪神を平定したことにちなむ勝取説,鹿狩りによる鹿取説,神鳥(かんとり)説など地名の転化に関して諸説がある(佐原市史)。」
「角川日本地名大辞典 12千葉県」より引用

「かしまぐん 鹿島郡
常陸国・茨城県の郡名。県南東部の鹿島灘沿岸一帯の地。
「風土記」には香島郡と見え,郡名の由来について,香島の天の大神,すなわち鹿島神宮の神郡であるので,カシマを郡名としたとするが,カシマの語義はカスミと同じく神の住所の意という説,建借間命のカシマをとったという説,「肥前国風土記」杵嶋郡条にも見えるカシシマがカシマの語源で,カシシマとは,船をつなぎとめる杭を打つ島(場所)の意という説などがある。」
「角川日本地名大辞典 8茨城県」より引用

私は次のように超空想します。

カトリとは「カリトリ」すなわち「狩り鳥」のことで、「鳥」(トリ)とは先住民のことではないかと考えます。
即ち、西国から入植した集団が先住民を狩った場所(服属させた場所)であるので「狩り鳥」(カリトリ→カトリ)とよんだのではないかと考えます。

カシマとは「カリシマ」すなわち「狩り島」のことで、「鳥」(先住民)を狩った島(服属させた島)のことだと考えます。

この超空想の背景には次の論文があります。

井上孝夫(1995):房総地域の製鉄文化に関する基礎的考察、千葉大学教育学部研究紀要43巻、p1-12

この論文では「鳥見(トミ)の丘」(本埜村丘陵に比定)や古代東海道駅名「鳥取駅」の「鳥見」、「鳥取」における鳥との関わりについてついて次のように考察しています。
「「鳥見の丘」に登って東の方を見渡し、鳥どもの様子、すなわち敵の情勢を探った」
「鳥とは「東国蟠踞の先住民」、鳥取とはその鳥を捕まえる討伐側のことであり、鳥取とは「先住民の服属」を意味している。」

香取や鹿嶋の語源は西国からの入植民が先住民に対して軍事的に勝利したことに因ると考えます。

鳥見神社や鳥取方面から東に攻めて、香取や鹿嶋の地で先住民を殲滅し、香取や鹿嶋が軍事勝利の記念の地となり、それが香取神宮や鹿嶋神宮の起原と考えます。

香取神宮、鹿島神宮、鳥見神社、鳥取駅の位置
Google earthより引用

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カリトリ ←→ カトリ に類似した音詰めの例

カリクラ(狩倉) ←→ カクラ(狩倉)
カリノ(狩野) ←→ カノ(狩野) 


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