2015年11月7日土曜日

墨書土器「佛」の閲覧

八千代市立郷土博物館で「佛」が墨書された土器を閲覧させていただきました。

佛(ほとけ) 白幡前遺跡出土

白幡前遺跡の2Aゾーンには周溝で囲まれた寺院跡が出土していて、瓦塔も出土していますが、この「佛」墨書土器も2Aゾーンから出土しています。

蓋の上面に墨書されています。

容器の蓋という上等品に墨書していることから寺院関係者(僧侶)が墨書したものと想像します。

神の代わりに佛(釈迦)に祈願したのだと思います。

祈願内容は、この遺跡に寺院が存在している趣旨(鎮護国家)からして、蝦夷戦争勝利という大きなものであったと考えます。

官人が労働層を動員するために墨書土器という風習を持ち込み、漢字の魔力(威力)で労働層の気持ちを束ねていったというようなものとは異なると考えます。

「佛」墨書土器は寺院関係者(僧侶)が寺院活動をアピールするためした、所有什器デザイン(仏具・祭具としての器のデザイン)のようなものだったと想像します。

この「佛」と書いた蓋を乗せた容器に飲食物を入れて、佛に対する供え物としたり、奈良の都からの来訪者や地元支配者の参拝があったときの接待に使ったのだと想像します。

寺院関係者(僧侶)個人が、自分の切実な問題をこの墨書土器に託して祈願したということはなかったと想像します。

八千代市立郷土博物館での2回目墨書土器閲覧の報告を終わります。

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