2016年7月24日日曜日

メモ 墨書土器DBのGISDB化の原理 その2 遺構レベル

公開されている墨書土器データベースを遺構レベルでGISデータベース化する原理をメモしておきます。

1 墨書土器データベースの項目

データベースを特定の遺跡(例 船尾白幡遺跡)で検索した結果は次のようになります。

墨書土器データベース画面(一部)

この画面の出土遺構の緯度経度情報を上記データベースに追加することとします。


2 遺構別緯度経度情報の取得方法

ア 発掘調査報告書掲載遺構分布図をGIS空間に貼り付けます。

イ GIS空間で遺構を点情報レイヤとしてプロットします。プロットする際に出土遺構名称をタイトルに書き込みます。

遺構(この絵では竪穴住居)別にプロットした様子(拡大図)

遺構(この絵では竪穴住居)別にプロットした様子(全体図)

ウ プロットした遺構レイヤのエクスポート

プロットした遺構レイヤーをcsvファイルとしてエクスポートします。

遺構レイヤのエクスポートファイル

これで出土遺構別緯度経度情報を取得できました。

3 墨書土器データベースへの緯度経度情報流し込み方法

位置情報流し込み方法は遺跡レベルの場合と同じです。

墨書土器データベースはデータベースソフトFile Makerに構築されています。

この墨書土器データベースファイルに新規テーブルとして出土遺構位置情報ファイルを読み込みます。

File Makerのリレーション機能を使って墨書土器のテーブルと出土遺構位置情報テーブルの間を「出土遺構」でリレーションシップをつなぎます。

(実務的には墨書土器データベースの出土遺構表現(例 2竪穴住居)を出土遺構位置情報ファイルの表現(例 SⅠ002)に変換するステップが必要です。) 

「出土遺構」でリレーションシップをつなぐと、墨書土器のテーブルに出土遺構の緯度、経度の項目を表示させることができます。

このような操作で墨書土器データベースに位置情報を流し込むことができます。

次のデータベースは、検討に必要ない項目を省き、出土遺構の年代区分や出土遺物情報を加えた、遺跡レベルでGIS化した墨書土器データベースの画面例です。

遺跡レベルでGIS化した墨書土器データベースの画面例

4 データベースの利用例

データベースファイルから特定釈文の年代別データを作り、頻度分布図としてGISにプロットした例を示します。

特定釈文の年代別頻度分布図例

遺構レベルでGIS化した墨書土器データベースに発掘調査報告書の年代別情報や出土遺物情報等を加えると様々な空間分析が可能となります。

分析と分布図表現が短時間(数分程度)で可能となりますから、思考の試行錯誤が自由にできるようになります。







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