2016年9月15日木曜日

メモ 漆か質か 「七万」墨書土器

2016.09.14記事「上谷遺跡 漆工房群存在の可能性」で上谷遺跡に漆工房が存在していた有力な証拠を紹介しました。

この記事では関連して、漆に関わる可能性のある墨書土器を紹介します。

墨書土器「七万」出土遺構(A162)

過去に、鳴神山遺跡出土墨書文字のうち「七」(シチ)を漆(シチ)であると考え、漆業務発展の祈願語であると考えました。

2016.04.04記事「漆業務発展祈願の墨書文字を認識した瞬間」参照

参考 漆業務発展祈願の墨書文字を認識した瞬間

一方同じ「七」を含む「七万」についてシチマンドコロと読んで質政所と解釈する検討も行いました。

2016.02.01記事「墨書土器文字検討メモ 万(マンドコロ)」参照

上谷遺跡出土「七万」が漆に関連する祈願語であるのか、質(質権業務)に関連する祈願語であるか、今後注意深く検討します。

現時点では「七万」の近くに漆工房群の存在が想定できますから、七(シチ)は質(シチ)ではなく漆(シチ)であると暫定的に考えておきます。

つまり、「七万」は漆業務の政所つまり、現場漆工房の業務を采配する管理上の拠点を意味して、その拠点が行う漆行政の発展を祈願していると考えます。

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