2017年7月21日金曜日

竪穴住居柱穴深度の逆立体グラフ作成成功

大膳野南貝塚後期集落の竪穴住居柱穴分析を行うに当たって、柱穴深度から手がかりが得られるかもしれないと考えます。

そこで、竪穴住居柱穴深度の逆立体グラフ作成にチャレンジしてみました。
土坑体積の立体グラフの作成ができたのですから、柱穴深度についても立体グラフ作成は原理としてできるはずですが、竪穴住居内のミクロ事象分布ですから関連ソフトであるQGIS、GE-Graph、Google earth proの精度が対応できるものであるかどうか不確かでした。

結果は竪穴住居柱穴深度逆立体グラフ作成に成功しました。

柱穴深度立体グラフ 地表から地上方向に逆表示
J67号竪穴住居

柱穴深度立体グラフ

柱穴深度立体グラフ

柱穴深度立体グラフ

柱穴深度立体グラフ

スケールはとりあえず任意であり、柱穴間の相対的関係を見るために作成しました。

発掘調査報告書の記述では柱穴を壁柱穴、張出部柱穴、記述しないものの3つに区分しているので、立体グラフはそれで色分けしてあります。

Google earth pro画面では立体グラフを動かして観察できますから、上記画像で見る以上に細部までの情報を感得できます。

J67号竪穴住居でその用途が記述されていない6本の柱穴のうち3本が竪穴住居内にあり、そのうちの中央1本の深度が大きく、従って高い(あるいは太い)柱が立っていた可能性があり、建物の構造柱ではない、祭壇の柱であった可能性も存在します。

オーバーラップするJ68号住居域に分布するJ67号竪穴住居の柱穴深度はJ68号住居覆土層分の深度が反映されていないので、深度の値が小さくなっています。

これから進める柱穴分析で柱穴深度情報を観察する方法を1つ編み出すことができました。
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参考 発掘調査報告書の記述

J67号竪穴住居の柱穴分布図と柱穴深度情報

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