2017年10月7日土曜日

西根遺跡出土「杭」はイナウ 表裏風化の違い

西根遺跡出土「杭」(縄文時代後期)の写真観察プロセスの中でA面が風化がすすみB面は新鮮な製品表面が見られましたので記録しておきます。

A面とB面の風化の違いは次の通りです。

A面とB面の風化の違い

A面とB面の風化の違い 頂部付近

風化の違いはこの木製品が野外に放置された後、A面だけが風雨に短期間晒されたために生じたものであると考えます。
これは、発掘状況写真でこの木製品がA面上B面下で出土していることが確認できるので間違いないと考えます。

A面上B面下で出土した状況

なお、この場所は縄文時代後期の戸神川流路にあたりますが「杭」の風化の様子から、遺物堆積後は、この場所が流水で洗われたことが無かったと結論付けることができます。
土器片や獣骨(焼骨)の出土状況からも流水の影響は全く見られません。

また、この場所の遺物が流水によって上流から運ばれてきて堆積したという想定も完全に否定できます。

0 件のコメント:

コメントを投稿