2017年12月31日日曜日

2017年の趣味活動をふりかえる

2017年の大晦日となりました。

多くの皆様のおかげでこの1年間も趣味活動を大いに進展できました。

心からお礼申し上げます。

この記事では2017年の活動で印象に残ったことをふりかえってみます。

1 大膳野南貝塚発掘調査報告書の学習開始
2016.12.23記事「縄文時代遺跡 大膳野南貝塚の学習を開始」から大膳野南貝塚の学習をスタートしました。
縄文時代学習をいつか本格的にしたいと希望していたのですが、その魅力(魔力)の大きさに無意識的にすくんでしまい、ついつい気軽で手ごろなテーマに終始してきていました。
しかしとうとう本腰をいれて縄文時代学習に突入したのが2016.12.23ということになります。
学習対象遺跡を大膳野南貝塚に選んだ理由は千葉県貝塚研究の先鋭第一人者である西野雅人先生にアドバイスをもとめて、その結果によるものです。

学習をはじめて、大膳野南貝塚は次の特質により初心者のための学習対象として好適であると実感しています。
・出土遺構、遺物が豊富で興味深い
・貝塚全体が発掘されていて貝塚像、集落像が捉えられる
・最近発掘された遺跡であり調査精度や分析の質が高い
・詳細情報が刊行されていて学習に利用できる
・全情報量が数冊以内におさまっていて個人で全てを分析する量として適当である。

大膳野南貝塚周辺の地形を知るために旧版地図を入手したり、あるいは千葉県の貝塚について学習したりと最初はウォーミングアップばかりでしたが、そのうち学習が進みだし、旧石器時代、早期後半(炉穴、陥し穴)、前期後葉集落(竪穴住居、土坑)について自分なりの学習を5月まで行いました。
その後中断して、12月から後期集落の学習を再開し現在に至っています。
1月から後期集落の学習を本格的に行う予定です。

大膳野南貝塚発掘調査報告書

2 大膳野南貝塚学習へのQGIS導入
大膳野南貝塚学習ではGISソフトとして高機能であるQGISを導入しました。
このおかげで効率的なデータ空間分析が可能となり、自分自身の学習意欲も増進しています。
またQGISがソフト側から使ってくる表示色が自分にとって好ましい色が多く、そうした些末なことも心理的に学習を促進しています。
さらに、QGIS、Google earth pro、Google earth proに棒グラフを描くソフト(GE-Graph)などを総合的に連携して活用できるようになりました。

QGIS画面の例

3 西根遺跡出土遺物・写真の閲覧
西根遺跡出土「杭」がイナウであるという予感を払拭できないため、千葉県教育委員会の手続きを経て「杭」現物の閲覧を行いました。ついでに加曽利B式土器等の遺物や奈良平安時代遺物の閲覧も行いました。
案の定「杭」はイナウであるとの仮説を強く持つことができました。
現物閲覧では限られた観察しかできませんので、追加で未公表写真の閲覧を行い、さらにイナウであるとの確信を深めることができました。
縄文時代遺物としてのイナウあるいは石器でつくられたイナウは、本邦はじめての発見であるという意義があります。

参考 西根遺跡出土木製品の検討図 1
2017.10.05記事「西根遺跡出土「杭」はイナウ 小孔を開けた工具」による

参考 西根遺跡出土木製品の検討図 2
2017.10.05記事「西根遺跡出土「杭」はイナウ 小孔を開けた工具」による

4 西根遺跡に関する講演
西根遺跡学習を深め、縄文時代出土物(大量の破壊された加曽利B式土器等)は堅果類増産にかかわる祭祀遺跡であり、その後近世までその空間が聖地であったことを突き止めました。
この学習結果を2017年9月24日に印西地域史研究会で「祈りの空間 戸神川谷津の隠された秘密にせまる -西根遺跡 縄文~近世の自分流学習-」(講演レジメpdf)と題して講演させていただきました。
講演準備活動の中で学習を大いに加速することができました。

「祈りの空間 戸神川谷津の隠された秘密にせまる -西根遺跡 縄文~近世の自分流学習-」(講演レジメpdfの最初頁/4頁)

5 鳴神山遺跡に関する講演
奈良平安時代の鳴神山遺跡について学習を深めているうちに、瓢箪から駒みたいたな感じで「鳴神山遺跡=大結馬牧」仮説が生まれました。
この学習結果を2017年11月12日に印西地域史研究会で「奈良・平安期に開発した印西の船穂郷(戸神・船尾)の謎 ~大結馬牧の姿が見えてきた~」(講演レジメpdf)と題して講演させていただきました。
講演準備活動の中で学習を大いに加速することができました。

「奈良・平安期に開発した印西の船穂郷(戸神・船尾)の謎 ~大結馬牧の姿が見えてきた~」(講演レジメpdfの最初頁/6頁)

6 ファミリーブログ
ブログ花見川流域を歩く番外編で技術的興味を、ブログ花見川流域を歩く自然・風景編で散歩について、ブログ世界の風景を楽しむで世界の風景をそれぞれ情報発信して自分の趣味活動の幅を広げることができました。また夏までブログ学習幸福否定で趣味活動におけるグズ克服の取り組みについて情報発信しました。
さらに12月末にブログ芋づる式読書のメモを開設するとともに、全てのブログを埋め込んだサイト考古と風景の楽しみを開設しました。

サイト考古と風景の楽しみホーム画面

7 感想
2017年は縄文時代学習にはじめて本格的に取り組んだ記念すべき年になりました。
同時に学習がなにか本格的になり出した年でもありました。
また年末にかけて読書(文献学習)の大切さを意識し出しました。
この2017年活動を踏まえてより充実した趣味活動を2018年に行いたいと思います。
2018年の活動計画は2018年1月15日(ブログ花見川流域を歩く開設7周年記念日)記事に掲載する予定です。

皆様、よいお年をお迎えください。

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