2017年12月27日水曜日

廃屋墓の存在は世代を超えて伝承した

大膳野南貝塚 廃屋墓の機能不明柱穴の検討 18

2017.12.21記事「大膳野南貝塚 廃屋墓の機能不明柱穴の検討 まとめ」の中でピックアップした人骨出土竪穴住居と住居重複関係についてメモします。

人骨出土竪穴住居のこれまでの検討で廃屋墓となった竪穴住居は後世に新規竪穴住居によって切られる(破壊される)ことが少ないような印象を受けています。
そこで統計を取ってみました。
漆喰・貝層(覆土層中の貝層)が出土する竪穴住居を対象にして、他の竪穴住居によって切られる(破壊される)ものの割合を求めました。

大膳野南貝塚 漆喰・貝層出土竪穴住居 他の竪穴住居によって切られるものの割合(%)

人骨出土竪穴住居はそうでない竪穴住居とくらべて、切られる(破壊される)割合が少ないことを数値の上で確かめることができました。
これは廃屋墓の存在が、集落内で世代を超えて情報として伝承したことを表現していると考えます。
廃屋墓がそこにあるという情報伝達において、風景上廃屋墓に標識があったと考えることが合理的であると考えます。
廃屋墓にはアイヌのイナウやヌササンのような柱をつかった祭壇が存在していたのではないだろうかと想像しています。

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